DVクラスターの誓約報酬でイーサネット・コンセンサスの分散化をサポートするには？

Author: Obol Source: Obol Official Website Translated by Good Obol, Golden Finance

概要

Obolは、イーサコンセンサスの分散化を強化・促進するための資金調達モデルを立ち上げました。Obol Distributed Validator (DV)クラスターのユーザーは、プレッジ報酬の1%を遡及的な資金プールに拠出します。これらの資金は、イーサの分散化に価値とインパクトを与えるプロジェクトやイノベーションに報いるために使用されます。

地球のための1%：イーサコンセンサスのための1%

2000年代初頭、パタゴニアの創設者クレイグ・マシューズとブルーリボン・ファイル（Blue Ribbon Files）は、イーサの分散化を推進するための資金を集めました。パタゴニアの創設者クレイグ・マシューズとブルー・リボン・ファイルの創設者イヴォン・シュイナードは、地球の資源から利益を得る企業には地球を保護する責任もあることを認識し、地球のための回帰的公共財基金（RPGF）を創設した。これが「1％フォー・ザ・プラネット」ネットワークの創設につながり、瞬く間に世界中の組織から支持を集め、最終的には6億ドル以上の環境寄付を認証した。

イーサプロジェクトにとって、イーサコンセンサスはマザーアースのようなものです。コンセンサスレイヤーは、ネットワークがコンセンサスメカニズムを通じてブロックチェーンの現状に合意する場所であり、このレイヤーのセキュリティと非中央集権性が非常に重要です。企業が資源を採取する地球を保護する責任があるように、イーサ・プレッジ・プロジェクトは、イーサの基盤であるコンセンサス層の強化にコミットすべき時なのです。

イーサを安全で、弾力性があり、分散型にする

アプリレイヤーの資金調達の前例

現在の遡及的資金調達先主にイーサネット・ネットワークのアプリケーション層に資金を提供し、「より高速で安価な」レイヤ2（L2）スケーリング・ソリューションと、ネットワークを数十億のユーザーに拡張するための新しい需要主導型アプリケーションに重点を置いています。アプリケーション層への資金提供の成功により、L2だけでなく、モバイル誓約や再誓約などの他のアプリケーションにおいても、新しいプロジェクトやイノベーションが爆発的に増加した。このような英雄的な努力によって我々のミッション実現の道が開かれた一方で、アプリケーションレイヤーにおける新しいプロジェクトによって、コンセンサスレイヤーの確保と分散化がこれまで以上に重要になってきている。イーサネット・ネットワークは、コンセンサス層を拡張するために同様の努力と資金を必要としている。

コンセンサス層の資金調達

イーサの使命を実現するためには、以下のものが必要です。安全で回復力のある分散型コンセンサスが必要です。それが私たちがObolを作った理由です。イーサリアムのコンセンサスが、信頼できる中立性と最小限の信頼性を維持するために必要なソフトウェアとコミュニティを持っていることを保証するためです。

本日、私たちはイーサリアムのコンセンサスを強化し、分散化するために設計された私たちの遡及的資金調達モデルを共有したいと思います。Obolの資金調達モデルが進化するにつれ、イーサコミュニティはアプリケーション層からだけでなく、ネットワークのコンセンサス層からも持続可能な資金を受け取るようになるでしょう。

エコシステムの成長

分散型バリデータ（DV）のエコシステムを維持するには、単なる技術以上のものが必要です。持続可能な資金源と、イノベーションを推進するための先進的な分配メカニズムも必要です。エコシステムが成長すればするほど、ネットワーク効果によって価値が高まり、Obolとイーサエコシステム全体への資金の流れが増加します。このポジティブなフライホイール効果により、チームやプロジェクトが協力してイーサのコンセンサス層を強化するエコシステムの繁栄が加速するでしょう。

歴史の教訓 - イーサネットのための回顧的資金調達

初期オリエンテーションブロック報酬の提案

イーサの初期において、コミュニティはプラットフォームを開発・維持する研究者や開発者に報酬を与える仕組みがないことを認識していました。その目的は、各ブロックの報酬の一部をイーサネット・プロトコルレベルの開発者基金に向けることで、持続可能なエコシステム資金を提供することだった。しかし、L1イーサプロトコルからの資金を直接ターゲットにすることは、イーサの中立性に疑問を呈することが判明したため、EIPは実施されませんでした（より最近のEIP-2025も同様の運命をたどりました）。

L2シーケンサー手数料をターゲットにする

イーサプロトコルから直接報酬を獲得し分配することは、そのもっともらしい中立性に疑問を投げかけることになりますが、レイヤー2など、イーサスタックの他のレイヤーで生成された報酬の場合はそうではありません。OptimismのRetroPGFプログラムは、2021年にVitalikによって提案された設計に基づいており、Optimismのレイヤー2シーケンサーからの収益の一部を分配している。このプログラムは、イーサリアムのエコシステムにとって重要な数多くの若いプロジェクトを支援しており、現在までに250以上のプロジェクトに資金が提供され、最新の第3ラウンドでは3,000万OPトークン（1億ドル以上）がコミットされています。OptimismのライバルであるArbitrumも積極的に資金を活用しており、現在Arbitrum財団資金提供プログラムの第3フェーズの真っ最中です。これらの遡及的な資金提供プログラムは、イノベーションを推進し、レイヤー2やより広範なイーサのスケーラビリティの取り組みに価値をもたらすプロジェクトの活発なエコシステムを構築してきました。

分散化のための1%

1%プレッジ報酬による資金調達

地球のための1%のように。プロトコル・ギルドは最近「1%プレッジ」プログラムを開始し、プロジェクトにネイティブトークンの1%をイーサプロトコルの開発に貢献するよう奨励しています。Optimismは現在ネイティブOPトークンを保有しているが、当初はL2シーケンサーからの収益を公共財の資金調達モデルに利用していた。同じことをバリデータにもやってはどうだろうか？

同様のモデルをL1コンセンサス層でも再現することができます。Obolは、Etherコンセンサスの分散化を強化・促進するために、この資金調達モデルを展開しています：Obol DVクラスターのユーザーは、プレッジ報酬の1％をObolに拠出します。インパクトのあるプロジェクトやイノベーションに使われます。

最初の資金提供者

このモデルに参加する最初の貢献者は、最近メインネットで稼働したSimpleDVTモジュールを通じて、Lidoです。-LidoはObol DVを使用してコミュニティ・オペレーターを受け入れ、ノード・オペレーターのセットを大幅に拡大しています。まもなく、DV上で稼働するEtherFiの誓約がさらなる資金源となるだろう。(実際、EtherFiはプロトコルギルドに1%の貢献を誓約した最初のプロジェクトでもあります)。

「Obolの1%分散化イニシアチブは、EtherFiプロトコルの回復力と分散化を強化する素晴らしいアプローチです。LidoのDAOコントリビューターは、DVT採用のさらなる進化を直接目撃し、Simple DVTモジュールを実行するObolバリデータを通じてこのミッションに貢献している革新的なチームを支援することを楽しみにしています。"--Will Shannon, Lido Contributor, NOM Workflow

分散化指向のプロジェクトに資金を割り当てる

Obolは、Etherのコンセンサス層の分散化に価値とインパクトを与える人を支援することを目指しています。このミッションにはコミュニティが必要です。技術パートナー、研究者、教育者、アンバサダー、コミュニティ貢献者、誓約協定、そしてもちろんイーサを強化する動きの一部となるノードオペレーターが必要です。

「Nethermindの研究チームでは、Obolの1%分散化イニシアチブは、イーサネットワークの長期的なセキュリティと回復力に向けた重要な一歩であると考えています。私たちのオープンソースのイーサリアムフルノードデプロイツールであるSedgeが、開発者がDVTを使用する検証ノードのセットアップと管理を容易にすることで、このイニシアチブの一翼を担えることに興奮しています。"-- Michał Zając, Head of Research, Nethermind

私たちは今年、分散バリデータ分野で価値を提供するプロジェクトに焦点を当て、遡及的な資金提供の最初のパイロットラウンドを開始する予定です。この初期段階では、異なるニーズ、実装、スキルレベルを持つ幅広いユーザーがDVにアクセスできるようにすることが重要です。DappNode、Stereum、Sedge、Splits.orgのようなツールや製品は、ユーザーがDVを作成し管理するのを助ける。その他の重要な取り組みとしては、EthStaker、Protocol Guild、MigaLabs、DV Stakersなどのプロジェクトによる教育、研究、テスト、コミュニティサポートがあります。

これらは、インパクトのあるプロジェクトのほんの一例です。メインネット上の分散バリデーターの数を増やし、遡及的な資金配分を実行する能力を洗練させ、改善するにつれて、助成金ラウンドはエコシステムの大部分をカバーするように拡大し、イーサの分散化を改善するでしょう。

これは始まりに過ぎません

ガバナンスの強化

これは始まりに過ぎません。解決しなければならない細部はたくさんあり、モデルは洗練され、反復される必要がある。今後数ヶ月、数年かけて、オボルはよりオープンでコミュニティが管理し、自立したプロジェクトになることを目指している。その目標は、イーサリアムのコンセンサス強化に貢献する個人やプロジェクトに対し、その貢献の種類や規模に関わらず、サポートを提供することである。

申請書を集め、投票し、資金を分配するために、私たちはツールを実験し、必要なインフラを構築しています。私たちは、Gitcoinチームによって開発されたEasyRPGツールを使用する予定です。EasyRPGツールは、Optimismの第3ラウンドの後に開発された公開製品で、プロジェクトが独自の回顧的資金調達ラウンドを構築するために使用することができます。