USIテックねずみ講の運営容疑で起訴されているドイツ国籍のホルスト・ジチャが、足首のモニターが故障したため逃走し、ニューヨークの自宅から姿を消した。ジーチャはUSIテックを通じて1億5000万ドルの暗号通貨詐欺を組織し、投資家に140%の巨額のリターンを約束した罪に問われていた。彼は500万ドルの保釈金で釈放され、自宅勾留されていたが、彼の動きを監視する装置が故障したため、現在は当局から逃走している。
詐欺的な暗号投資プラットフォームであるUSI Techは、ビットコインの自動取引ソフトウェアを通じて指数関数的なリターンを得られると投資家に信じ込ませて運営していた。しかし、規制当局が同社がねずみ講であり、正当な利益ではなく新規投資家からの資金で以前の投資家に支払っていたことを発見したため、同社は崩壊した。
ジーチャの逃亡により、司法省(DOJ)の検察官と地元の警察当局が彼の行方を追うべく奔走している。ジーチャの行方は現在わかっておらず、捜査当局は、ジーチャがその人脈と莫大な不正資金へのアクセスを利用して国外に逃亡したのではないかと懸念している。
2023年に暗号詐欺が急増
Jichaのケースは、暗号詐欺の増加という広い傾向の一部である。FBIのインターネット犯罪苦情センター(IC3)の報告によると、2023年には6万9000件以上の暗号関連の詐欺苦情があり、56億ドルの金銭的損失が発生している。金融詐欺事件全体の10%に過ぎないにもかかわらず、暗号通貨詐欺は金融損失全体の半分近くを引き起こしており、その重要性が増していることが浮き彫りになっている。
詐欺的なスキームは、消費者の取り逃がす恐怖(FOMO)につけ込むことが多く、手っ取り早い利益を約束するハイリスクで、しばしば持続不可能な投資に誘い込む。暗号通貨は比較的未規制の市場であるため、悪質な業者は抜け穴を悪用し、情報弱者の投資家を食い物にして、大きな金銭的損害を与え続けている。暗号通貨詐欺の増加は、この分野における規制強化と投資家保護措置を求める声を強めている。